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WordPressのコメント欄やユーザー登録フォームには、広告や誘導リンクを自動で投稿するボット(プログラム)が集まりやすく、放置すると見栄えが悪くなり、確認や削除の手間が増えます。ただし、対処のほとんどは管理画面の設定だけで完結します。プラグインの追加は、設定だけでは追いつかないときの上乗せです。
当サイト記事 難易度表記について
- 【難易度:簡単】WordPressの管理画面だけでできる・すぐ試せること
- 【難易度:普通】少し手間がかかる(念のため、事前にバックアップを取りましょう)
- 【難易度:やや難しい】FTPや設定ファイルへの操作が必要(これらが分からない場合や、不慣れな場合は実施するかは慎重に検討ください)
- 【難易度:難しい】専門の知識が必要。場合によっては致命的なトラブルにもなりかねませんので自信がない場合は専門家へご相談を
まずは下の「被害の目安」で急ぎ具合を見てから、コメントを承認制にする設定を入れるのが、いちばん手早い止め方です。
被害の目安と急ぎ具合
いま起きていることで、急ぎ具合が変わります。
- 未承認のコメントが溜まっているだけ(外部には公開されていない): 急ぎではありません。下の設定でフィルタを入れてから、まとめて削除すれば十分です。
- スパムコメントがすでにサイトに公開されている: 閲覧者が不審なリンクを踏むおそれがあります。やや急ぎです。先に該当コメントを削除し、承認制を有効にしてください。
- 身に覚えのないユーザーが大量に登録されている: まず、登録ユーザーの権限を確認します。「設定 → 一般」の新規ユーザーの初期権限が「購読者」のままなら、記事の編集や投稿はできないため直接の被害は限定的です。「投稿者」以上が付いている、または管理者が増えている場合は侵害の可能性があるので、無理に操作せずご相談ください。
設定変更の前に、バックアップがあると安心です。サーバーのバックアップ機能などで今の状態を控えておいてください。
まず入れる設定:コメントを承認制にする【難易度:簡単】
スパムコメントの公開をいちばん手早く止める方法は、すべてのコメントを管理者が確認するまで公開しないことです。ボットが送ったコメントもサイトに出なくなります。
- 管理画面の「設定 → ディスカッション」を開きます。
- 「コメントの手動承認を必須にする」にチェックを入れます。
- ページ下部の「変更を保存」を押します。
副作用として、読者から届いた正規のコメントも承認するまで表示されません。コメントを使っているサイトでは、見落とさないように、同じ画面の「コメントが投稿されたとき」「コメントがモデレーションのために保留されたとき」のメール通知にチェックが入っているかも確認してください。承認の手間が気になる場合は、後述の「信頼した読者は即時公開」の設定で軽くできます。
トラックバック・ピンバックを止める【難易度:簡単】
トラックバックとピンバックは、他のサイトから「あなたの記事にリンクしました」と通知しあう機能です。いまはスパムの経路になることが多く、使っていないなら止めて問題ありません。
- 「設定 → ディスカッション」を開きます。
- 「新しい記事に対し他のブログからの通知(ピンバック・トラックバック)を受け付ける」のチェックを外します。
- 「変更を保存」を押します。
この設定は、これから作る投稿にだけ適用されます。すでにある投稿は、各投稿の編集画面の「ディスカッション」パネルで個別に外す必要があります。投稿数が多いと手作業では時間がかかるため、まず新規分を止めておき、既存分は気づいたときに直す、という進め方でもよいのではないでしょうか。
リンク数の制限とキーワードのフィルタ【難易度:簡単】
スパムコメントは外部リンクを多く含むことが多いので、リンクの本数を手がかりに保留させられます。標準の機能です(「設定 → ディスカッション」)。
- リンク数で保留: 「コメント中のリンクの数がこの値以上の場合はモデレーションキューに入れる」に数値を入れます。普通のコメントはリンク0〜1本のことが多いため、「2」を目安にすると、正規のコメントを巻き込みにくくなります。
- コメントブロックリスト(禁止キーワード): スパムに多い語句を1行1件で登録すると、その語を含むコメントはゴミ箱に送られます。
注意点として、ブロックリストに入れた語を含む正規のコメントも同じように弾かれます。「副業」「出会い」のような一般語を入れると、普通のコメントまで消えることがあるため、登録は具体的なスパム文面に絞るほうが安全です。
コメント機能そのものが不要なら止める【難易度:簡単】
情報発信だけのサイトや企業サイトでは、コメント機能自体を使わないことも多くあります。その場合は、入口を閉じてしまうのがいちばん確実です。「設定 → ディスカッション」で「新しい投稿へのコメントを許可」のチェックを外すと、これから作る投稿でコメント欄が出なくなります。すでにある投稿のコメント欄をまとめて閉じるには、投稿一覧の「一括編集」でコメントを「不許可」に変更します。
コメントスパムを減らすプラグインを入れる【難易度:普通】
承認制やキーワードのフィルタだけでは追いつかないほどスパムが来るときは、コメントスパムを自動で判定するプラグインが役立ちます。コメントとトラックバックが対象なら、次の2つが定番です。どちらを選ぶかは、サイトが商用かどうかと、そこに費用をかけられるかで判断しましょう。
Antispam Bee(無料・商用サイトでも使える)
コメントとトラックバック・ピンバックのスパムを判定する無料のプラグインです(pluginkollektiv 製・オープンソース)。個人サイトでも商用サイトでも無料で使えます。読者に画像認証(CAPTCHA)を出さず、判定のために個人情報を外部サービスへ送らない作りのため、プライバシー面の心配が少ないのが特長です。言語別・国別のフィルタや、たまったスパムを定期的に削除する機能もあります。
導入は「プラグイン → 新規追加」で「Antispam Bee」を検索し、インストールして有効化します。初期設定のままでも動き、判定の強さは設定画面で調整できます。
ただし、Antispam Beeが機能するのはコメントとトラックバックのみです。ユーザー登録のスパムや、お問い合わせフォームプラグインに来るスパムには効きませんのでご注意を。ログインフォームやメールフォームに関しては、後述の「ユーザー登録を無効化する」や、フォーム側の認証(CAPTCHA)と併用するのが良いでしょう。
Akismet(商用サイトは有料)
WordPressに最初から入っている(有効化は別途必要)定番のスパムフィルタで、世界的に広く使われています。ただし無料で使えるのは個人の非商用ブログのみで、企業サイトや、広告・アフィリエイト・商品販売などで収益のあるサイトは有料プランの契約が必要です(2026年6月時点で最も安いプランが月1,492円・年払い。条件と金額は akismet.com/pricing でご確認ください)。
商用サイトで無料のまま使い続けることは、利用規約に反しますのでご注意を。
どちらを選ぶか
- 商用サイトで、コメント・トラックバックのスパムを無料で止めたい: Antispam Bee
- 個人の非商用ブログ: Akismet、Antispam Bee どちらでも
たまったスパムコメントを一括で消す方法【難易度:簡単】
なお、上記プラグインでスパムと判定されたスパムコメントは、下記の方法で一括削除ができます。
- 管理画面の「コメント」を開きます。
- 上部の「スパム」タブを開き、スパムとして振り分けられたコメントを表示します。
- 「スパムを全て削除」または全選択して「完全に削除」を実行します。
スパム扱いになっていない未承認分を消したいときは、「承認待ち」タブで同じように選んで削除します。
数万件単位で溜まっていて管理画面の操作自体が重い場合は、データベース(記事や設定を保存している入れ物)を直接整理する方法もありますが、対象を間違えると必要なデータまで消えるおそれがあり、取り返しがつきません。量が多くて管理画面で処理しきれないときや、何かエラーが出る時は、無理をせずフォームからご相談ください。
ユーザー登録を無効化する【難易度:簡単】
会員機能を使っていないサイトなら、一般ユーザー登録を停止する機能が、WordPressにデフォルトで搭載していますので、下記設定をしておきましょう。
- 「設定 → 一般」を開きます。
- 「メンバーシップ」の「だれでもユーザー登録ができるようにする」のチェックを外します。
- 「変更を保存」を押します。
ただし、ショッピングサイトやオンラインスクールなどの、会員登録が必要なサイトでは上記設定で運用すると(当然)新規の利用者登録ができなくなります。
この場合場合は、登録フォームに認証(画像認証や、Cloudflare Turnstile のような行動ベースの認証)などでより実践的なスパム対策をする必要があるでしょう。ユーザー登録のスパム対策についてはまた別の記事にて詳しくご紹介いたします。
再発防止のチェックリスト
対策を入れたあとも、月に一度くらい次を見ておくと安心です。
- 「コメント → 承認待ち」が溜まっていないか確認する。
- 「コメント → スパム」を「スパムを全て削除」で空にする。
- プラグインが最新かを「更新」画面で確認する(更新の止まったプラグインは、別の侵入経路になることもあります)。
よくある質問
- 承認制にすると、知人のコメントまで保留になってしまいます。
- 仕様です。「設定 → ディスカッション」の「すでに承認したコメントの投稿者のコメントを許可し、それ以外は保留する」を有効にすると、一度承認した読者のコメントは次から自動で公開され、手間が減ります。
- トラックバックとピンバックの違いは何ですか。
- どちらも「他のサイトから自分の記事へリンクされた」ことを知らせ合う機能です。ピンバックはWordPress同士で自動でやり取りされ、トラックバックは送信側が通知用のURLを指定して送ります。いまはどちらもスパムの経路になりやすく、使っていなければ両方止めて問題ありません。
- Akismetを有料にしたくありません。無料の選択肢はありますか。
- コメントとトラックバックのスパムが対象なら、Antispam Bee が無料で、商用サイトでも使えます(上の「コメントスパムを減らすプラグインを入れる」を参照)。ほかにも候補はありますが、選ぶときはインストール数・評価・最終更新日を確認してください。
- ※ Antispam Bee はコメント専用です。ユーザー登録やフォームのスパムには、ユーザー登録の無効化やフォーム側の認証で対処します。
- スパムコメントが毎日数百件来ます。承認制だけでは追いつきません。
- 承認制とリンク数フィルタに、Antispam Bee などのプラグインを組み合わせると、手で確認する件数を大きく減らせることが多いです。それでも多い場合は、コメント機能を一時的に止めるか、サーバー側でボットをブロックする方法もあります。判断に迷うときは、状況をまとめてご相談ください。


